人2019.03.28
浜松を変える若者たちの声[後編]浜松若者社中 浜松若者会議マネージャー / 鈴木崇斗さん
今、浜松で起きている面白いこと。
まだ、小さなムーブメントかもしれないけれど、
なぜか惹きつけられてしまう不思議な魅力がある。
その秘密を探ってみると、「創造都市・浜松」の明日のカケラが見えてくるかもしれない。
~あなたが若者に対してできることは何ですか?~
若者の熱気あふれる浜松にしたいという思いを胸に、仲間を増やし、活動を続けている「浜松若者社中」の鈴木崇斗さん。後半では、「浜松若者社中」で活動するモチベーション、これからの夢について伺いました。
義務感ではなく、楽しいからする
ーー鈴木さんは浜松若者社中にいつから関わったのですか?
(鈴木)僕は2016年11月に行われた第1回「浜松若者会議」から参加しています。「浜松がもっと盛り上がるには若者は何をすべきか」というテーマで、最終的に浜松のおいしい食べ物やお店を知ってもらおうと、半年かけて『#浜松#アトランチ』というランチ本を制作しました。参加店のランチをお得に食べるためには、Instagramに投稿しなければいけないという仕掛けで、楽しんで写真を投稿することで、お店の宣伝にもつながったと思います。今は、浜松若者会議の企画・運営、プロジェクトのサポートなどをしています。
▲営業から制作、販売まで手がけた『#浜松#アトランチ』
ーー鈴木さんにとって、浜松若者社中の魅力って何ですか?
(鈴木)同じような価値観を持つ同世代とつながれることです。僕は実行力はあるんですが、アイデアがあまり出ない。だからアイデア豊富な人と一緒に活動できるのはとても魅力です。一人ではできないことも、みんなでなら実現できますし。
ーー話を聞いていて頭が下がります(笑)。そのようなモチベーションはどこから来るのですか?
(鈴木)楽しいから、のひと言ですね。学生っぽくない活動というか、勉強やサークル、アルバイトだけでは得られないものがあるのが醍醐味であり、面白さだと思います。「僕らがやらなきゃいけない」といった義務感で活動している訳でもないですし、やめたいと思ったら、やめてもいいと思っています。自分たちが楽しんでいるというのが継続している理由だと思います。
ーー浜松若者社中には社会人や学生など様々な立場の方が集まっていると思いますが、どのようにコミュニケーションをとっているのですか?
(鈴木)日々の連絡はFacebookメッセンジャーを使っています。とは言え、顔を合わせたミーティングも定期的に行っています。議事録などはGoogleドキュメントとしてクラウドに保存することで、誰もが簡単にアクセスできるようにしています。
ーー組織となると、上下関係が出てくる場合も多いと思いますが、どんな感じで意見交換されているのですか?
(鈴木)割とフラットな関係だと思います。年上だから意見が通るとか、尊重されるといったことはないですね(笑)。年上の方でもニックネームで呼んでいるぐらいですから。
動き続けることで、出会うべき人と出会う
ーー鈴木さんがこのような活動に興味を持ったきっかけを教えてください。
▲若者会議でのプレゼンテーション
(鈴木)在学している浜松学院大学のプロジェクトで、天竜区春野町にある勝坂地区に1カ月間暮らし、地域課題の解決に取り組むというものがありました。1年生の時に参加して、農作物の栽培や勝坂地区の伝統芸能などについて学びました。その経験を元に、中山間地域の活性化を目的とした学生団体「やまびこチャレンジ」を創設し、初代代表を務めました。他にも、学校のプログラムでフィリピンのダバオ市に1カ月滞在し、フェアトレードについて学び、帰国後は静岡文化芸術大学のサークル「タベボラ(食べてボランティア)」に参加しました。
ーー浜松市北区引佐町の魅力を発信する√173(るーといなさ)にも参加されていますよね。
(鈴木)はい。1年生の時はアルバイトをする時間がないくらい忙しかったですね。でも、それらの活動がきっかけで、浜松若者社中の設立メンバーと知り合った訳ですから、がんばって続けて良かったです(笑)
ーー今後の展望や将来に夢について教えてください。
(鈴木)活動を続けてきて、年上の方たちや別の団体の方々から声をかけていただく機会が増えてきました。3月末には浜松青年会議所の方たちと模擬選挙のイベントをする予定です。参加者と一緒に模擬政党の公約を考えてプレゼンテーションし、それに対して投票するという内容です。色々な方たちと協力しながら、浜松がもっと盛り上がるよう、がんばります!
地域課題に興味を持ち、仲間とともに課題解決に取り組む鈴木さんの姿が印象的でした。鈴木さんにとって浜松若者社中の活動は、学校やサークル、趣味などと同列で、地域の課題を考え、行動することは特別なことではないように見えました。浜松若者社中は、そんな感覚を持つ若者の集まりだからこそ、大人や企業が応援し、ともに活動することで、新しい社会の有り様(ありよう)を作っていけるのかもしれません。そういった意味でも、彼らが掲げる「若者の熱気にあふれ、チャレンジできる浜松」を作るのは、若者だけではなく、ここに住む全員の役割と言えそうです。
浜松若者社中 鈴木崇斗
浜松学院大学 現代コミュニケーション学部 地域共創学科 地域政策専攻。学生団体「やまびこチャレンジ」を創設。以降、√173、タベボラなど、社会課題に取り組むさまざまな活動に関わり、2016年に浜松若者社中に参加。現在、浜松市市民協働センターでアルバイト職員として、中山間地域を担当する。趣味は野球とバイクツーリング。
浜松若者社中 http://hamawaka.jp/